岸田総理 GID特例法、家裁が適切に対応していると認識 予算委員会質問で答弁

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予算委員会で総理の認識問う

堤かなめ委員

堤かなめ委員(立憲)

 11月24日の衆議院予算委員会で、立憲民主党の堤かなめ議員(福岡5区)は、性同一性障害特例法の違憲決定について質問し、トランスジェンダーへの差別や事実無根のデマや偏見が広まる現状を念頭に、「特例法の性別変更要件と(公衆浴場やトイレなどの)施設利用は合理的関連がない」と訴えました。

 現在、一部の政治家やSNSにより「手術要件が削除され、自己の認識だけで性別が変えられる」といったデマやそれに基づく差別や偏見が流布されていますが、総理や法務大臣によって、家庭裁判所が手術要件以外も含めた事実確認を適切に対処していることが共有された質疑になりました。以下、関係部分を要約でお伝えします。

総理、法務大臣がそろって答弁-「適切に判断されている」

○堤かなめ委員(立憲)
 最高裁は性同一性障害特例法の2条4号要件について、違憲決定をした。この決定を受け、法改正が必要だと思うが、いつ、どのように行うのか?

小泉龍司法務大臣

小泉龍司法務大臣

●小泉龍司法務大臣
 違憲決定ついてこれを厳粛に受け止める。政府としては立法府の皆様とも十分に連携して適切に対応する。

○堤かなめ委員
 性同一性障害特例法に基づく、法的性別変更手続きの流れについて。
・心で思っただけで簡単に性別変更ができるわけではない。
・2名以上の医師による診断書が必要。
・医師は本人だけでなく、家族や親族に、服装、言動、人間関係など普段の生活様式の聞き取りを行う。さらに戸籍謄本など必要な書類を準備して家庭裁判所に申し立てをするといった厳格な手続きが必要。総理の見解は?

●小泉龍司法務大臣
 性同一性障害特例法の第2条は、
・性同一性障害者について、心理的には生物学的な性別と別の性別であるとの持続的な確信を持つことなどを要件としており、その上で、診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する2人以上の医師の診断の一致が求めらわれる。
・家庭裁判所において、これらの要件を踏まえ、個別の案件ごとに適切に判断されていると承知している。

○堤かなめ委員
総理は?

岸田文雄総理大臣

●岸田文雄内閣総理大臣
・性同一性障害者について、心理的には生物学的な性別と別の性別であるとの持続的な確信を持つことなどを要件としており、その上で、診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する2人以上の医師の診断の一致が求められる。これが現状。
・家庭裁判所において、これらの要件を踏まえ、個別の案件ごとに適切に判断されていると承知している。

○堤かなめ委員
 裁判官の個別意見では、単に自称すれば女性用の公衆浴場等を利用することが許されるわけではない、その範囲に全く変わりがない中で、不正な行為があるとすれば、これまでと同様に全ての利用者にとって重要な問題として適切に対処すべきであるが、そのことが性同一性障害者の権利の制約と合理的関係性を有しないことは明らかである、と記されている。つまり、特例法の性別変更要件と施設利用は合理的関連がない、ということかと思う。

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こうした質疑の積み重ねが、トランスヘイトの解消に役立つと言えるのではないでしょうか。(編集部)

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