参議院憲法審査会 4人の議員が同性婚に言及

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写真上 参議院憲法審査会(5月8日)参議院中継より

8日に開催された参議院憲法審査会では、辻元清美(立憲)、福島瑞穂(社民)、仁比聡平(共産)、石川大我(立憲)の4議員が、同性婚について取り上げました。
同性婚をめぐって各地で起こされている集団訴訟では、同性どうしの結婚が法律上認められていないのは憲法違反とする司法判断が複数出され、今年3月の札幌高裁判決では、憲法は「同性間の婚姻についても異性間の場合と同じ程度に保障していると考えるのが相当だ」と指摘し、同性婚を認めない現行民法及び戸籍法は少なくとも現時点では立法裁量の範囲を超え、憲法24条、13条、14条に違反すると2審で初めての判断を下しているだけに、国会での早急な議論が待たれているところです。

世論は「緊急事態の議員任期」より「同性婚議論」が上 (辻元議員)


まず、辻元議員は、世論調査では「改憲機運が高まっていない」が60-70%とし、自民党が唐突に出してきた「緊急事態時の国会議員の任期延長すべき」は、16%たらずと、「同性婚を議論すべき」の18%以下であるとして、政権与党の自民党議員の4人に1人が裏金づくりに関与していたことから、議員の規範を変える資格があるのかと質しました。

「同性婚認めない」「性同一障害特例法」は憲法違反(福島議員)


続いて福島議員は、「札幌高裁は同性婚を認めないのは憲法24条、14条違反とし、最高裁は生殖能力を奪う性同一性障害特例法は憲法違反と断じた」と発言し、同性婚を認める法改正の必要性を説きました。

自由と人権の保障は全ての人に享受される姿勢こそ国会で(仁比議員)


仁比議員は、札幌高裁判決を受けて、憲法の「制定当時は想定されていなくとも、個人の尊重についての認識の明確な発展を背景に、自由と人権の保障は全ての人に享受されなければならないという姿勢は国会こそ持たなければならない」として、「これだけ裁判所の違憲判断が積み重なってなお、極めて慎重な検討を要すると背を向け続け、特定の家族観を人々に押し付け苦しめる政府・与党に憲法改正を語る資格はありません」と発言し、同性婚の法制化を促しました。

憲法審査会で「婚姻の平等」テーマに議論を求める(石川議員)


石川議員は、札幌高裁判決で特に注目すべきとして、原告の、憲法24条は婚姻の自由を定めたものであり、同性どうしの婚姻を保障するとの主張を認めた点を挙げ、「訴訟を闘っている当事者の皆さん、弁護士の皆さんに心からの敬意と、1人の男性同性愛者としての感謝、この国会の中で唯一の当事者の議員として存在することができるのも皆さんのおかげ」と感謝の言葉を述べました。
そして、憲法に密接に関連する基本法制について広範、総合的に調査する憲法審査会が、婚姻の平等をテーマにとして各会派が意見を述べる場や、当事者、研究者、NGO、NPOから広く意見を聴取し、理解と議論を深める場を作るべきと質し、調査会長に幹事会で扱うよう求めました。
中曽根弘文会長(自民)は、「後刻、幹事会にて協議します」と約束しました。

「私たちはここにいる」全国1千万人のLGBT当事者は全国で声を上げて

さらに続けて石川議員は、「各種世論調査で多くの国民が賛成しているにもかかわらず、自民党議員からは繰り返し差別と偏見に基づく発言が国会、地方議会問わず発せられてきました。こうした発言に多くの当事者が傷つき、怒り、抗議の声を上げてきました。国民の痛切な人権侵害の状況が裁判を通じて明らかになっているにもかかわらず、婚姻の平等について、無視続ける自民党に、もはや政権担当能力はないと言えます。未来を見据え、国民の幸福と平等を実現する政府こそ、私たちが求めているのではないでしょうか」と発言しました。
そして、この審査会に注目、期待している全国1千万人のLGBT当事者の皆さんに、「私たちはここにいると」「もう人権侵害を受けるのはたくさんだ」「私たちは幸せになる権利がある」―――と全国で声を上げてくださいと呼びかけ、LGBTコミュニティがつながり、当事者以外の人々とつながることで社会が変わり、婚姻の平等が実現する政治を実現しようと訴えました。

参議院審議中継 https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

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