国がなかなか動かないなら、企業から。婚姻の平等法制化に500超の企業が賛同

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写真上 Business for Marriage Equalityのサイトより

「国が動かないなら、企業から」と、日本での結婚の平等の法制化に500以上の企業・団体が賛同し、支持を可視化するキャンペーン「Business for Marriage Equality」(BME)の一環として、婚姻の平等を考える会が5月10日、横浜市で賛同企業から45社が集って開かれました。BMEによると6月19日時点で513の企業・団体が同性婚法制化に賛同を表明しています。
賛同各社には、資生堂やファミリーマート、TOTO、SONYなど、日本を代表する企業も名を連ねています。
BMEは、公益社団法人「Marriage For All Japan」、NPO法人「LGBTとアライのための法律家ネットワーク」、認定NPO法人「虹色ダイバーシティ」の3つのLGBTQ関連団体が2020年から共同で運営するキャンペーンです。

当たり前の社会へ全ての人が力合わせ社会変えることが必要

当日は、賛同企業で総合人材サービスの「ランドスタッド」とBMEの共催で、婚姻の平等に関する取り組みの情報交換や、勉強会を行いました。
パネルディスカッションでは、資生堂とランスタッドが、企業として同性婚の法制化に賛同する意義などについて議論しました。

資生堂のDE&I戦略推進部長の山本真希さんは、2020年から同社が賛同する背景について、「あらゆるバックグラウンドを持つ人が、個人としてきっちりと尊厳が守られ、婚姻の自由と平等という権利が当たり前のように得ることができる社会を作っていく必要があります。そのためにすべての人が力を合わせて推進をし、社会を変えていくことが重要だと考えています」と力強く語りました。

また、資生堂では「社内で制度を整えていくのは、企業の責任として当然」という考えで、2017年、社員の同性パートナーを異性の配偶者と同様の福利厚生サービス・処遇が受けられるように就業規則を変更したそうです。

労働力確保の観点でも海外流出はもったいない

ランスタッドの代表取締役社長兼COOの猿谷哲さんも、人材サービスの観点から、日本で同性婚が実現していないことで海外への人材流出が起きていると指摘。「大きなチャンスをロスしている」として、「国としても労働力の確保という観点から、すごくもったいない。われわれがこのような活動を通して正しい情報を届けていくことが大事です」と強調しました。

また、オランダ出身でランスタッド取締役兼CHROのヨス・シュットさんは、日本への転勤時に25年以上連れ添った同性の配偶者にビザが出なかった経験を話し、「非常に悲しい思いをしました。今まで普通だと思ってきたことが、日本では普通ではないと気が付いた。婚姻の平等が実現されていない状況では、日本から人材が流出したり、日本に残っていても自分が受け入れられていないという思いから、自信を喪失することが起こってくると思います。すべての人が、自分が受け入れられていると感じることはとても重要」と同性婚の法制化の必要性を語りました。

想定されていない、注視する、と社会の変化を見ない岸田首相

このイベントを伝えたハフポスト日本版は、同性婚訴訟で画期的な「違憲」判決を出した今年3月の札幌高裁で、「権利の尊重や差別の禁止などLGBTに対する基本方針を策定している企業数の調査において平成28年の調査結果では173社であったが、令和元年の調査結果では364社であった」と社会の変化を表す指標の一つとして企業の取り組みが参照され、評価されたことを挙げた一方、札幌高裁判決について問われた翌日の岸田首相答弁が「憲法上想定されていない」「訴訟の判断を注視したい」と、社会の変化を見ない旧態依然に留まっていることを伝えています。

参考 ハフポスト日本版
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_6639f2bde4b0f72991a77e00?utm_source=smartnews&utm_campaign=hpjtop

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