写真上 演説するウオㇽツ副大統領候補 ウオㇽツさんのxより
米民主党のカマラ・ハリス大統領候補から6日、副大統領候補に指名されたティムシー・ジェイムズ・ウオㇽツさんは、24年間の高校教師時代から、12年間の下院議員時代、そして2018年から現在のミネソタ州知事までの間、一貫してLGBTの権利保護のために実績を上げてきました。ウオㇽツさんの副大統領候補発表の数分後には、共和党のトランプ元大統領が「危険なほどリベラルな過激派」と表現し警戒をあらわにしています。
初の下院選で同性婚支持含む綱領掲げ共和党候補下す
ウオㇽツさんは、ミネソタ州の公立マンケート・ウエスト高校教師時代に、同性愛者の生徒へのいじめに直面したことから、同校初のゲイ・ストレート・アライアンス指導員となり同性愛者へのいじめ問題に取り組みました。
2006年、ミネソタ州で下院選に初めて立候補した際には、同性婚への支持を含む綱領を掲げ、共和党寄りの選挙区で民主党の議席を獲得しました。
「Don’t Ask, Don’t Tell」の撤廃を求める
2009年には下院で、ゲイやレズビアンの兵士が兵役に就くことを禁じる軍事政策「Don’t Ask, Don’t Tell」の撤廃を求める演説を行いました。24年間陸軍の州兵で働いたウオㇽツさんは演説の中で「私のキャリアの中で、部隊が安全を確保し、任務を遂行する能力が性的指向に基づいていることは一度もありませんでした。性的指向を理由に兵士が解任されたからといって、この国が安全になったことは一度も思いませんでした」と強調しています。
バイデン大統領も不出馬宣言する前の6月26日に、同性愛行為禁止の旧規定違反で有罪になっていたLGBTQI+の元兵士約2000人に恩赦を与えています。
矯正療法禁止法案や適合医療ケアにアクセス保障法案も
ウオㇽツ・ミネソタ州知事は、性別転向療法(手術)の実施を禁止する法案に署名するとともに、トランスジェンダーの当事者が性別適合医療ケアにアクセスすることを保障する法案に署名しています。昨年署名された性別転向療法(手術)を禁止する法律は全米で22番目となりました。
また、適合医療ケアへのアクセスが違法とされる他の州からミネソタ州に来るトランスの若者とその家族を保護する法案にも署名しています。当時、ウオㇽツ知事は「ミネソタ州では、権利を奪うのではなく、保護している」と語っています。
ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)は、「他の州が重要な権利と保護を後退させているにもかかわらず、平等を支持する州議会と知事がLGBTQ+の権利をどのように推進できるかの一例」と宣言し、サラ・ウォービロー・HRCディレクターは「ウオㇽツ知事がこの矯正療法の禁止に署名し、再びLGBTQ+のミネソタ州民のために強い立場をとったことを称賛します」と高く評価しています。