写真上 大阪高等裁判所(裁判所HPより)
同性同士の結婚を認めていない民法や戸籍法の規定は憲法に違反するとして、3組の同性カップルが国を訴えている裁判の2審が13日、大阪高等裁判所(本多久美子裁判長)で開かれ、原告は「司法が違憲と宣言し、婚姻の平等が一歩進むことを期待している」と訴えました。
京都府や香川県、愛知県に住む3組の同性カップル6人が、国に損害賠償を求めて起こした裁判で2022年6月、1審の大阪地方裁判所は、「婚姻の自由を定めた憲法24条1項は、男女の間の結婚を想定し、同性は含まない」などとして憲法には違反しないと判断して訴えを退け、原告が控訴していました。
「合憲」の地裁判決見直しを求め婚姻の平等を訴える
全国5地裁に起こされた訴訟6件の1審判決のうち、大阪地裁だけが「合憲」と判断し、他は「違憲」と「違憲状態」とし、2審では今年3月に札幌高裁、10月に東京高裁が「違憲」判決を下すなど、大阪高裁判決に注目が集まっています。
この日の弁論では、原告らの意見陳述が行われ、田中昭全(あきよし)さん(47)はパートナーの川田有希さん(39)との結婚を求めており、「司法にできることは違憲と宣言すること。婚姻の平等が進むことを期待しています」と訴えました。
“異性間の婚姻で保護されている権利が私たちには何1つない”
坂田麻智さん(45)は、パートナーで米国籍の坂田テレサさん(41)が傍で見守る中で意見陳述し、22年に精子提供で生まれた娘に触れ、「娘は日本国籍が与えられず、異性間の婚姻では当たり前に保護されている権利が私たちには何1つない。明らかに差別です」と訴えました。
また、「将来的に違憲になる可能性がある」とした、大阪地裁判決について、将来とは「いつなのか」と指摘。「私たちは明日にでも事故に遭って死ぬかもしれない。顔も実名も出し、今の話をしている私たちに向き合ってほしい」と求めました。
坂田テレサさんも「同性愛者が異常者ではないということ、異常者ではないので、区別する理由がないから、差別になることが伝わってほしい」と訴えました。
裁判はこの日に結審し、来年3月25日に判決が言い渡される予定です。