トランプ大統領の性別適合ケアへの資金提供禁止命令に3州で提訴

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写真上 石破首相と会談するトランプ大統領(在日米大使館HPより)

トランプ大統領が先月、19歳未満の人々に性別適合医療を提供する医療提供者への連邦政府の資金提供を停止すると警告した大統領令に署名したことを受けて、ワシントン州のニック・ブラウン司法長官をはじめ、オレゴン、ミネソタ3州の民主党の司法長官、および3人の医師も政府に対して提訴しました。訴状では、この命令がトランスジェンダーの人々を差別していると主張しています。

収入が低い世帯や軍人家族向けの保険制度から性別適合医療を除外

NBCによると、トランプ大統領が署名した内容は、世帯収入が低い世帯などが入るメディケイドや軍人家族向けのトライケアなどを含む連邦政府が運営する保険制度から性別適合医療を除外するよう指示する内容で、また、これに反対する訴訟や立法を進めるよう司法省に求めてもいます。

一部の州のメディケイド制度では、性別適合医療がカバーされており、今回の新命令は、連邦政府の資金を受け取って医療を提供している病院や大学を対象としているため、この慣行を終わらせる可能性を示唆しています。

NY州当局は病院に対しサービス停止は法律違反と警告

「この命令はワシントン州全域の若者と、切実に必要とされる医療を提供するワシントンの医療専門家に差し迫った脅威をもたらす」とブラウン・ワシントン州司法長官は記者会見で強調しました。

今回の共同提訴は、トランスジェンダーやノンバイナリー(自身の性自認・性表現に「男性」「女性」の枠組みをあてようとしないセクシュアリティ)の子どもを持つ家族が今週初めにボルチモア連邦裁判所に訴訟を起こしたことを受けたものです。

法廷闘争が続く中、一部の医療機関はトランスジェンダーの若者に対する性別適合医療を中止しており、ニューヨーク州当局は病院に対し、サービスを停止することは法律違反になると通告しています。

トランプ大統領のトランス・ターゲット命令に対し、さらに訴訟の可能性も

医療へのアクセスに関する命令や性別の不変の定義に加え、トランプ大統領はトランスジェンダーの人々の兵役禁止への道を開き、学校での性別の教え方に関する新たな規則を制定する命令にも署名しています。

トランプ大統領はまた、6日にトランスジェンダーのアスリートが女性スポーツに参加することへの禁止を目的とした大統領令に署名しました。

軍の命令や連邦刑務所にいるトランスジェンダーの女性を男性施設に移送する計画に対して訴訟が起こされているように、他の訴訟も起こされる可能性が高いとみられています。

26の州が未成年者へのケアを制限、禁止する法律を可決などトランス反発も

研究者らは、思春期抑制剤、ホルモン療法、手術などの治療を含むケアを受けている青少年は1000人に1人未満であるとしています。しかも、未成年者の手術はまれです。

トランスジェンダーの人々が何らかの形で認知され、受け入れられるようになるにつれ、激しい反発も起きています。少なくとも26の州が未成年者へのケアを制限、または禁止する法律を可決しています。米国最高裁判所は昨年議論を聴取しましたが、テネシー州のケア禁止が合憲かどうかについては、まだ判決が下されていません。

参考 NBC

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