写真上 ガブリエル・アタル フランス新首相 仏大使館HPより
8日、フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、34才と最年少のガブリエル・アタル教育大臣を新しい首相に任命しました。ゲイを公表した初のフランス首相となりました。物議をかもした新移民法をめぐって8日に内閣総辞職したエリザベート・ボルヌ首相の後継として、保健省の実務者から政府報道官、予算大臣、昨年7月から国民教育大臣とわずか5年たらずでの任命です。
かつての社会党支持からマクロン派へ転向
アタルさんは、フランス社会党の政治家で経済学者だったドミニク・ストロスカーンの青年支持者出身でしたが、エマニュエル・マクロンが大統領選のために結成した政治運動「アン・マルシェ!(前進!)」に参加した最初の社会主義者の1人でした。2018年にマクロンが大統領に当選して以来、わずか5年あまりで、政府の要職を務め首相に上り詰めました。
教育大臣当時、アラビア半島出身者の女性民族衣装であるアバーヤを世俗的だとして、公立学校での着用を禁止したことで注目されました。イスラム系団体が差別的でイスラム教徒に対する憎悪をあおる恐れがあると撤回を求めましたが、国務院は、学校で信仰を示すシンボルを他者が見える所に身に付けてはならないとする法律に基づくとの判断を下しました。最近では、学校でのいじめに反対する計画を立ち上げ、民間テレビ局のインタビューでは自分自身もいじめの被害者だったと語っていました。
厳しい国内政治をどう運営するか注目
年金改革と、極右寄りと言われた厳しい新移民法という、国民から大いに批判された2つの法律の採択によって1年8ヶ月で首相を辞任したエリザベート・ボルヌ前首相の後継者となったアタルさんは、同性愛者を公言した初で、最年少首相としてだけでなく、現下のフランスの厳しい国内政治を担わされることで注目を浴びています。
参考
Pink news https://www.thepinknews.com/2024/01/09/gabriel-attal-france-first-ever-gay-prime-minister/