写真上 渋谷・原宿を色鮮やかにパレードする参加者たち (TRP提供)
アジア最大級のLGBTQ+関連イベントの「東京レインボープライド2024」(TRP2024)が、20日、21日の2日間、東京渋谷区の代々木公園で開催されました。主催者の特定非営利活動法人「東京レインボープライド」によると、フェスティバルのべ総動員数は1日目12万人、2日目15万人、2日目午後のプライドパレード参加者は1万5千人、梯団数も60といずれも過去最高となったそうです。
より自分らしく、前向きに生きていくことができる社会実現目指しつながる
LGBTQ+をはじめとするセクシュアル・マイノリティ(性的少数者)が、差別や偏見にさらされることなく、より自分らしく、前向きに生きていくことができる社会の実現を目指し、イベントを通してLGBTQ+当事者並びにその支援者(Ally)
と共に、「”性”と”生”の多様性」を祝福し、つながる「場」を提供する東京レインボープライド。
ブースも史上最多の302出展で盛り上がる
写真提供TRP
日本初のプライドパレードから30周年を迎えた記念すべき周年に開催されたTRP2024では、史上最多となる302のブースが代々木公園のケヤキ並木までずらりと出展。企業・団体など様々な人たちのLGBTQ+への想いが集まり、初日から会場は賑わいを見せていました。
1日目は、未来へ繋げていくコンテンツとして子どもたちや家族連れも楽しめる「レインボーステージ」が誕生。絵本の読み聞かせや、ねんどの工作体験をはじめ、レズビアンカップルのYouTuber第一人者のエルビアンTVとFTMのMASAKIによるインフルエンサートークも実施され、LGBTQ+として家族になった実体験を通して、悩んだことや、気づいたことなどを赤裸々に語っていました。
午前0時のプリンセスと2すとりーとも「変わるまで、あきらめない」
写真提供TRP
Pride Choir Tokyoの合唱からスタートしたプライドステージでは、Z世代を中心に人気を誇る午前0時のプリンセスと2すとりーとが登場。今年の「変わるまで、あきらめない。」というテーマのもと、共に盛り上げ、次世代へバトンをつなぐ存在として「TRP2024公式YOUTH PRIDEアンバサダー」に就任しました。
続いて、中村中さん、星屑スキャットさん、ENVii GABRIELLAさん、清水ミチコさんなど豪華アーティストが次々登場し、圧巻のライブパフォーマンスを実施。ライブの合間ではSHELLYさんと小島慶子さんや、阿部千代さん、東ちづるさんがトークを展開しました。
大黒摩季さんは「LGBTQ+は気にしないで生きていきませんか?」
写真提供TRP
ステージの最後は、バンドメンバーを引き連れた大黒摩季さんが登場。大ヒット曲「あなただけ見つめてる」をはじめ全7曲を歌い上げ、名曲「ら・ら・ら」を披露した際には、性別も年齢も関係なく会場に集まったお客さん全員と合唱。最後に大黒さんは、「性別じゃなくて人として見てもらえるこの空間からピースな世界が広がってほしいし、私は私を受け入れて愛してくれるみんなを守ります。色んな人がいる今、『LGBTQ+』は気にしないで生きていきませんか?誰がなんでもいいじゃない」と話し、「IT’S ALL RIGHT」を熱唱。会場の熱気が最高潮に達したなか1日目を終えました。
與真司郎さん「同性婚あきらめずに」、ちゃんみなさん「尊敬と感謝」
與さん 写真提供TRP
ちゃんみなさん 写真提供TRP
2日目のレインボーステージは與真司郎さんをゲストに「自分らしいファッション」についてトークショー。性に揺らいだり、自分らしくありたいと感じたり、LGBTQ+の人を応援したいと思うユース世代に向けて與さんは率直な思いを話してくれました。その後、YYさん、八方不美人さん、DRAG QUEENさん、AISHO NAKAJIMAさんらが登場。曲間では、昨年亡くなったryuchellさんとドラァグクイーンのオナン・スペルマーメイドさんの追悼も。その後、與さんがスピーカーとして登場、「ゲイであることを誰にも言えなかった」という與さん。27歳の時にアメリカで過ごしたことがターニングポイントになったそうです。「同性婚が一日でも早く実現できるように、あきらめず頑張っていきましょう」とエールを送りました。ラストは、真っ白な衣装をまとったちゃんみなさんが登場。「ハレンチ」「美人」など全8曲を披露しました。曲の途中では衣装にレインボーのペイントを塗りたくり会場を沸かす場面も。トークでは、「生きづらさを感じることもある現代で、それでも勇気をもって声をあげてくれる皆さんに、心からの尊敬と感謝を送らせていただきます」とコメント。続いて人気曲の「Never Grow Up」では、「みんなが幸せになりますように。これからもどうか、私と一緒に愛に生きてください!」と1人ひとりに熱い想いを届けました。
一方で、午後から1万5千人、60梯団によるプライドパレードが「変わるまで、あきらめない」というTRP2024のテーマのもと、渋谷・原宿の街をレインボーに彩りました。
LBGTQ+に限らず、だれもが自分らしく暮らせる社会目指して活動
主催団体・特定非営利活動法人TRP共同代表理事の杉山文野さん、山田なつみさんは、開催後、次のメッセージを発表しました。「30周年を記念して、全国のプライド団体と協力し歴史的資料の展示公開を行いました。また、結婚の平等(同性婚)を実現させるために活動している『公益社団法人Marriage For All Japan』とのコラボ企画、ファミリーも楽しめる場として新たに『レインボーステージ』を設けるなど、結果としてパレード参加者数、協賛団体数、ステージ登壇者数、のべ来場者数など、TRP史上最大規模の開催となりました。様々な形でご参加いただいたすべての皆様に感謝申し上げます。今回のテーマ『変わるまで、あきらめない』のとおり、私たちはこれからもあきらめずに活動し続けます。LGBTQ+に限らず、多様な誰もが自分らしく暮らせる社会の実現を目指して、一歩ずつ着実に歩んでまいりますので、引き続き応援のほどよろしくお願いいたします」。