タイ上院で同性婚を法制化する法案が可決、年内にも施行へ東南アジアで初

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写真上 タイの新しい国会議事堂(©編集部)

タイの上院で18日、同性婚を法制化する法案が出席議員152人のうち圧倒的多数の賛成130人で可決しました。同法案は下院では既に可決されており、今後国王の承認を得て公布から120日後の年内にも施行される予定です。

アジアで同性婚の法制化は台湾(2019年)、ネパール(同23年)に続いて3か国目で、東南アジアでは初となります。

2030年ワールドプライド開催地に名乗り

タイの憲法裁判所は2020年、結婚を男女間に限定する現行法は合憲との判断を下していましたが、昨年の総選挙で第1党となった革新系の前進党など、複数の主要政党が「婚姻の平等」を公約の1つに掲げるなど、国民の大きな関心事となりました。前進党は保守派に阻まれて連立政権を樹立できませんでしたが、保守派と連立を組んだ第2党の貢献党(旧野党でタクシン元首相派)のセター党首も、同性婚法制化を議会で審議することを約束し、世界的な性的少数者のイベント「ワールドプライド」の2030年開催地として名乗りを上げたことも支持拡大に貢献しました。

写真上 性的マイノリティをオープンにしているタイのタンヤワット議員(左)と日本の石川大我参院議員(©編集部)

主要政党が「結婚の平等」選挙公約で法制化につながる

500議席を争った昨年のタイの総選挙では、選挙前、与党第1党で保守派の「国民国家の力党」は40議席で第4党に脱落、旧野党の「前進党」が151議席で第1党に躍進、タクシン元首相派の「貢献党」が141議席で第2党、プラユット前首相支持派の「団結国家建設党」が36議席で第5党に。第1党の「前進党」は右派に阻止され連立から外され、第2党の「貢献党」が親軍派の「国民国家の力党」を含む旧与野党11党による右派連立政権となりましたが、主要政党が「結婚の自由」を公約に挙げたことで、今回の法制化につながりました。

日本でも経団連はじめ多くの国民が「結婚の平等」求める

主要7か国(G7)の中で唯一、同性婚を法制化していない日本でも今年、同性婚を認めていない現行の規定を違憲とする札幌高裁判決(参照)が出され、経団連をはじめ国民の多くが立法化を求めるなか、一部の与党議員が反対する国会で立法不作為とならないよう審議と法制化を求める発言が続いています。来年7月には参院選、10月末までには衆院選が行われ、各政党が「結婚の平等」を公約に掲げて実現するのは時間の問題となっています。

参考 CNN  https://www.cnn.co.jp/world/35220299.html

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