NHK朝ドラ『虎に翼』で同性婚や夫婦別姓を当時の問題として描き反響広がる

NEWS

写真上 右からニクまろさん、中村中さん、水越とものりさんのオフショット(『虎に翼』公式Xより)

初の女性弁護士の1人、初の女性判事・裁判官など日本の女性法律家の先駆者として知られる三淵嘉子さん(1914年~1984年)をモデルにしたNHKの朝ドラ『虎に翼』では、16日放送回から、ゲイのカミングアウトをはじめ、同性婚や夫婦別姓問題に悩む場面が登場、しかも当事者の役者も出演して話題になっています。放送後には、脚本家の吉田恵里香さんがXで、戦後間もない当時にもこうした問題があったとして、「私は、透明化されている人たちを描き続けたい」と投稿して、SNSでは、さらに多くの反響が広がっています。

同性婚ができない不条理に、「爺さんになった時心から幸せだったと言いたい」

第100話の16日放送では、主人公寅子の友人で弁護士の轟がカミングアウトして同性パートナーを寅子に紹介する場面が登場し、第101話(19日放送)では、同性婚が認められない不条理に悩み、第102話(20日放送)では、轟が「この先の人生、お互いを支える保障は法的にない。俺らが死ねば、俺らの関係は世の中からはなかったことになる。だが、爺さんになって人生を振り返ったとき、俺は心から幸せだったと言いたいんだ」と語って涙を誘いました。

男性カップルと性転換手術を受け女性となったバーのママが登場

そして、21日放送の第103話では、轟たちの弁護士事務所の集まりに誘われて、夫になる航一と娘の優未と3人で尋ねた寅子は、男性カップルの千葉(ニクまろ)と秋田(水越とものり)、上野でバーを経営している山田(中村中)もいて、着物姿の山田が「私は男の体で生まれたけど、女の体になるように性転換*の手術を受けました」と自己紹介します。(*現在は、性転換とは言わず、性別適合手術、性別再指定手術ともいわれています)

ゲイとトランスジェンダー当事者の出演に、SNSで反響

新宿2丁目でお店をやっているニクまろさんと俳優の水越とものりさんは共にゲイです。シンガーソングライターで俳優の中村中さんは、2006年に公式サイトで男性の体ながら女性の心を持つトランスジェンダーであることを公表、翌07年の紅白歌合戦に出場し、戸籍上男性だったソロシンガーが紅組で出場するのが史上初だったことから、大きな話題となりました。
視聴者からは、「中村中さんだったの!?」「全然気が付かなかった」「中村中さん!めっちゃ綺麗」「仕草が美しい」「すごいキャスティング」とXでは、「中村中さん」がトレンド入りしました。
SNSでは、いろんな人がコメントし、ゲイで女装パフォーマー、ドラァグクイーン、エッセイストのブルボンヌさんが「中村中さんが性別適合手術を受けた上野のママとして登場!ゲイカップル2組とみんなで想いを語り合うて、朝ドラ史上に残るわ、、、」とツイート。一般社団法人fair代表理事でシスジェンダー・ゲイの松岡宗嗣さんが、「歴史的な日。時代背景を無視と言われるが実際に存在した人たち。物語でも現実でもいないことにされてきた。『僕らはいつも理由を求められる』というセリフが象徴」とコメントしています。キャスティングについても「改めて朝ドラ制作陣の本気を感じた」「よくぞキャスティングしてくださいました」といった反響が寄せられています。

夫婦別姓の問題も当時の問題として描かれる

また、第102話から第104話では、寅子が航一との結婚で姓が変わることに悩み、105話では別姓のままお互いを愛し、尊重しあう内縁関係として、法学部時代の仲間から結婚式とは異なる形の祝福を受ける場面が続き、当時からこうした問題があったことを脚本の吉田恵里香さんが描いています。

参考
モデルプレス
クランクイン
シネマトゥデイ
東スポ

特集記事

特集コンテンツ

お悩み相談
TOP