仙台弁護士会が再度「平等な婚姻制度の実現」求める会長声明

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写真上 仙台弁護士会館

仙台弁護士会は8月21日、21年2月に続いて再度、国に対して「ただちに、当事者の性別に関わりなく婚姻を可能とする法整備に着手することを求める」とする藤田祐子会長声明を発表しました。

同性婚認めないことは婚姻の自由侵害で憲法違反

声明では、婚姻の自由の保障は、個人が尊厳をもってその人らしい人生を送り、その人にとっての幸福を追求するうえで必要不可欠であり、その重要性は性的指向により変わるものではないとして、性別を問わない婚姻の自由は、憲法13条及び憲法24条1項によって保障されているとしたうえで、己の意思によっては変えられない性的指向の違いによって婚姻が認められないことは婚姻の自由を侵害するものとして憲法13条、21条1項に違反するとともに、憲法14条1項に違反する不合理な区別であって、当然、「個人の尊厳」と「両性の本質的平等」によって画される立法裁量の限界を超えるものとして憲法24条2項にも違反すると批判しています。

全国の「違憲」「違憲状態」判決や自治体で認証制度広がる

さらに、2019年2月に、札幌、東京、名古屋、大阪4つの地方裁判所で、同性間で結婚できないことは違憲であると主張する国家賠償請求訴訟(「結婚の自由をすべての人に訴訟」)が提起されて以降、同年9月には福岡地裁で提起、21年には東京地裁で第二次訴訟が提起され、現在まで2つの地裁で「違憲状態」、3つの地裁で「違憲」、さらに札幌高裁で「違憲」判決が出されていることや全国の自治体で、パートナーシップ認証制度が458自治体で導入されている(今年6月28日時点)など、国内で、同性間での婚姻を求める声が高まっている状況にあるとしています。

ただちに同性婚を可能とする法整備に着手することを求める

こうした多様な性的指向の存在を柔軟に受け入れる制度の構築が広がりを見せ、多様な性的指向を前提とする同性婚が認められていないことが憲法に違反するとの司法判断が重ねられているにもかかわらず、「国会及び政府は、法整備や解釈変更による同性間の婚姻を認める運用についての具体的な検討すら行っていない」と批判し、我が国は「すべて国民は、個人として尊重される」(憲法13条前段)ために、性的指向にかかわらずすべての人がその人らしく生活することができる社会をつくりあげる責務を負うとして、国に対して「ただちに、当事者の性別に関わりなく婚姻を可能とする法整備に着手することを求める」としています。

国と政府の立法不作為の状態が続く

同性婚の法制化を求める意見や要望書、声明は2019年7月に日弁連が発表したのをはじめ、福岡、神奈川、東京、沖縄、札幌、熊本、埼玉、山口の各弁護士会なども発表してきており、国会でも立憲民主党の石川大我参議などが法整備を求める質問に対して、一貫して「注視する」(小泉龍司法相答弁)という傍観ぶりで、これまで国や政府は何ら具体的な検討もしておらず、立法不作為の状態が続いています。

参考 仙台弁護士会

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