写真上 バーバラとアリソン(左上)、グトとリース(左下)、ミシェルとローラ(右上)、ミシェルとローラの娘たち(右下)PINKNEWSより
27日までに英国で実施された全国養子縁組週間では、子どもを引き取ることができる人の数が減少していることが示され、LGBTQ+の養子縁組希望者がこれまで以上に必要とされていることが明らかになりました。
キャンペーンの一環として2000人の英国成人を対象に実施された「ユー・キャン・アダプト」調査では、2023年から24年にかけてイングランドで養子縁組を待つ子どもの数が22%増加した一方で、養子縁組の意思がある、または可能な人の数は減少しており、LGBTQ+の養子縁組希望者の需要が高まっていることが浮き彫りになりました。
調査では、回答者のほぼ半数(48%)が「選択した家族」を持ち、42%が非伝統的な家族構造の出身であることが明らかなになりました。
PinkNews のインタビューにLGBTQ+の養子縁組をした人たちが「永遠の家族」を築く多様な方法を明らかにしました。
グトさんとリースさん
同性の親を普通にするにはまだ道のりが長い
リースさんとグトさん(ともに32歳)は、12年間の同棲生活と5年間の結婚生活を経て、2020年に養子縁組を始め、現在2人は5歳の男の子の両親となっています。グトさんは、養子縁組の手続きは柔軟だったと語りました。
「(私たちの息子は)生き生きとしていて、本当に愛らしく、私たちの生活を計り知れないほど変えてくれました。(そして)いつも喜んで手伝ってくれます」
また、養子縁組を検討しているLGBTQ+の人々に対して、「家族になることをいかに早く普通に感じられるか、養子縁組をしたとは思わなくなるか」を理解するべきだと付け加えた後、「彼は私たちの息子であり、永遠に私たちの息子です」と語りました。
養子縁組の過程で夫婦は偏見に直面しませんでしたが、グトさんは「同性の親を普通にするにはまだ道のりが長い」と感じていると話しました。
バーバラさんとアリソンさん
愛だけでは十分でなく、資源とサポートが必要で失敗は許されない
バーバラさん(65)とアリソン(55)さんには特別な支援が必要な娘が2人います。アリソンさんは、1999年にティミーを養子に迎え、続いて妹のチェルシーも養子に迎えました。兄妹が10歳と6歳の時に、アリソンは彼らの第2の母となるバーバラと出会いました。ティミーは2017年に亡くなりましたが、夫妻は彼を偲んで、特別な支援が必要なもう1人の子ども、サラを養子に迎えました。
特別支援教育に携わるアリソンさんは、90年代にはLGBTQ+人々が養子縁組をすることは非常に稀だったと振り返り、現在の養子縁組のプロセスは「あるべき姿」と語り、「私たちは異性愛者の規範を真似しているのではなく、養子縁組を第一選択として選んでいるのです」と付け加えました。
彼女はまた、有害な神話を払拭することにも熱心です。
「同性愛者が自分の子どもも同性愛者になるなんて、笑止千万。チェルシー、サラ、ティミーはみんな異性愛者だった。ティミーは胸とお尻か目に入っていなかったし、チェルシーとサラは男性にかぶれてしまう」と彼女は冗談を言いました。
アリソンさんは、養子縁組を考えている人たちに1つだけ警告は発しています。「愛だけでは十分ではありません。資源とサポートが必要です」と語り、「失敗は許されません。この子たちはすでにたくさんのことを経験しているのです」と強調しました。
ミシェルさんとローラさん
養子縁組は幸運なこと、失敗があることを認識すること
ローラさん(40)とミシェルさん(39)の夫婦は親になるという共通の道を望み、2人の幼い娘を養子に迎えました。
2019年、彼らは生後7か月の女の子と出会い、その後、新生児だった2人目の娘を迎えました。ミシェルさんは、彼らを支えてくれたソーシャルワーカーを称賛し、養子縁組が彼らの中に「自己探求、回復力」と、喜びをもたらしたと振り返りました。
ミシェルさんは、LGBTQ+の養子縁組希望者に対し、感情的な瞬間に備え、手続きが失敗する可能性があることを認識するよう奨励しています。
彼女はこれまでの道のりを振り返り、「私たち2人が成し遂げたことは、とても幸運なこと。私がカミングアウトした当時はこんなことを成し遂げられるとは思っていませんでした。なぜなら、偏見のせいでそう信じ込んでいたからです」と語りました。
参考 pinknews