戸籍の性別変更の手術は憲法違反!最高裁弁論で原告訴え

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性同一性障害の人が戸籍上の性別を変更する場合に、生殖能力をなくす手術を受ける必要があるとする特例法は違憲だとする当事者の主張を聞く弁論が9月27日、最高裁で開かれました。
2004年に施行された性同一障害特例法では、戸籍の性別変更を認める要件として生殖機能がないことなど、実質的に手術が不可欠となっています。

この要件について、戸籍上は男性で女性として社会生活を送る当事者が「手術を強制するのは重大な人権侵害で憲法に違反する」として、手術を受けなくても性別変更を認めるよう家庭裁判所に申し立てましたが、家裁と高裁は認めず、今回の最高裁への特別抗告となりました。

今回とは別の申し立てで最高裁は4年前に、手術要件について、「変更前の性別の生殖能力によって子どもが生まれると、社会に混乱が生じかねないことなどへの配慮に基づくものだ」として裁判官全員一致で、憲法に違反しないと判断しました。ただし、社会状況の変化に応じて判断は変わりうるとし、「不断の検討」を求めたほか、4人の裁判官のうち2人は、「手術は憲法で保障された身体を傷つけられない自由を制約する面があり、現時点では憲法に違反しないが、その疑いがあることは否定できない」という補足意見を述べていました。
今回は、前回と異なり、15人の裁判官全員による大法廷で審理され、当事者の主張を聞く弁論を開いたことから、新たな憲法判断が示される可能性があります。最高裁は、年内にも判断を示すとみられています。

司法統計によると、2004年に特例法が施行されてから昨年までに全国の家庭裁判所で1万1919人の性別変更が認められています。

当事者や支援者で作る団体などでは手術を必要とする規定について、「人権侵害の嫌煙が極めて強い」として、撤廃など抜本的な見直しを求めています。

海外では17か国が申し出により性別変更可能に

ILGA(国際レズビアンゲイ協会)によると、国連加盟国のうち、自身の申し出で性別を変更することが可能な国はスペインやデンマークなどのEUやアルゼンチンなど少なくとも17か国となっています。
一方、性別適合手術や不妊手術が必要とされる国は少なくとも日本や中国など18か国とされています。

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